HOME > 健康の雑学 > 【2009年8月号】コーヒーの雑学

歴史があり、世界中で愛されているからこそ、コーヒーは雑学の宝庫です。その歴史と文化を紐解いてみましょう。
|
|
時は6世紀。アフリカ・エチオピアの高原に群生している木々。その木は白い花をつけ、小さい実をつけていました。この実をヤギが食べて興奮しているのをみつけた山羊飼いの少年が、自ら実を食べてみたところ、うん、これはなかなかいける!この評判を耳にした修道僧達がこぞってこの実を食べてみると、力が沸いてくるような不思議な感覚を抱いたとか。それが、コーヒーの起源といわれています。その実をつけたのはアカネ科の植物「コーヒーノキ」。ちなみに、アフリカは「人類起源説」があるほど、古くから人が住んでいたといわれる地。コーヒーノキも6世紀以前からあったかもしれないと考えると、人類とコーヒーの出会いはもっと古かったかもしれません。 一般的に「コーヒー豆」と呼ばれるものは、コーヒーの実の種子にあたる部分です。「豆」と呼びつつも「種」だったんですね。しかしコーヒーノキの実にも若干のカフェインが含まれており、冒頭にあるようなことが起こったといわれています。この他にもコーヒーの起源は諸説あるのですが、興味深いのは、当初コーヒーは「食べ物」として機能していた点です。エチオピアの民は、コーヒーの実をすりつぶして動物性の油脂を混ぜ合わせ、団子のように丸めて食べていたとか。その後、実と種子を煮て食べる過程で、「煮汁」を飲むスタイルが広まり、やがて種のみを乾燥させたり、煎ったりしたものを粉状にする手法が生まれたのは13世紀になってからとのことです。 少し時間を戻して、10世紀。アラビア人の医師、ラーゼスが、有史以来初めてコーヒーに関することを記述したといわれています。しかもラーゼスは、コーヒーの消化作用や利尿作、健胃作用についてまで記していました。つまりコーヒーは「薬」としての側面も持っていたのです。 |

「ターキッシュ」、つまりトルコのコーヒーです。コーヒーにはアラビア起源説もあり、アラビアからヨーロッパへ広まる中継地点として16世紀中頃、トルコに流入。首都イスタンブールにはコーヒーショップ「カーヴェハーネ」も登場し、貴族や僧侶の飲み物から、一般大衆の飲み物として広がりをみせました。
