HOME > 健康の雑学 > 【2009年12月号】たまごの雑学

祭事に欠かせないたまごとは?今、もっとも日本人に注目を浴びているたまご料理は?たまごに関する雑学をお送りいたします。
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動物が産み落とすたまごは、生命のシンボル。世界中の人々の“元気”を支える貴重なたんぱく源として食べられてきたたまごですが、“食べる”以外の祭事にもしばしば用いられてきました。たとえば「イースター・エッグ」。キリスト教の祭日であるイースター(復活祭)を祝う際、鶏たまごをカラフルな色で塗ったり、絵を描いたりして飾る習わしがあります。地域によっては「転がす」こともあり、アメリカのホワイトハウスでも恒例行事となっています。毎年子ども達を招いて、スプーンでイースターエッグを転がす競争「イースターエッグロール」が開催されているんです。 昨今では、たまごの形をしたプラスチックのケースにチョコレートなどのお菓子を入れたものが使われることもよくあります。これらを前日に隠しておき、復活祭の朝になると子ども達はイースター・エッグを探し回る、という風習も。ちなみに、この言葉はコンピューターの世界にも波及しています。ソフトウェアの開発者が、こっそりと遊び心でソフトに加えた機能のことを「イースター・エッグ」と呼ぶんです。渡す側、探す側、双方に遊び心がある、というわけですね。 また、中国には「紅蛋(ホンタン)」というたまごがあります。赤い食紅で染めた煮たまごのことで、子どもが生まれたときにはこれを近所の人や会社の同僚などに配る風習が今でも残っています。地域によっては、お祝いをくれたかどうかで、あげる紅蛋の数が異なるといったことも。「生まれる」というおめでたい席に、たまごはピッタリなんでしょう。 |


今月の特集でもご紹介していますが、現在の日本において注目を集めている料理が「たまごかけご飯」。関西方面では「たまごご飯」などとも呼ばれています。その名の通り、生たまごをホカホカのご飯の上にかけたシンプルなたまご料理ですが、「料理」というほど手間もかかりませんよね。おかずはないけれど、冷蔵庫を開けたら生たまごがひとつ。お醤油を垂らしてササッとかきこめば、お腹も心も満たされます。 ブームの火付け役になったといわれているのが、岡山県の美咲町。明治時代の新聞記者で、たまごかけご飯をこよなく愛し、広めたとの説がある岸田吟香(きしだ・ぎんこう)が同町出身であることから、町おこしの一環として“たまごかけご飯”専門店「食堂かめっち。」をオープンさせました。 簡単な料理なれど、素材は吟味しつくされています。鶏たまごは西日本最大級の養鶏場「美咲ファーム」のものを使い、ご飯も町内の棚田でとれたお米。醤油やお皿にいたるまでご当地のものを使い、郷土色を出しています。 メインメニューの「幸福定食」は、ご飯にたまご、味噌汁、漬物で300円。特製のタレをかけて食べるシステムです。ご飯とたまごのお代わりは自由。他にもだし巻きたまごやオムレツもあります。店内の席数は20に満たないものの、休日になると300名以上が訪れ、行列もできるとか。 美咲町の取組みに端を発し、現在は全国各地に専門店がオープンし、たまごかけご飯のレシピ本や、たまごかけご飯専用の醤油もたくさん販売されています。世の中は不況といわれていますが、安くて工夫次第でいろいろ楽しめるたまごかけご飯、まだまだブームは続きそうな気がします。 |